いきるばのブログ

読めば読むほど味がでる

『ワクチンの噂』

 今回ご紹介するのは、『ワクチンの噂 ~どう広まり、なぜいつまでも消えないのか~』( 著者:ハイジ・J・ラーソン 訳者:小田嶋由美子 出版社:みすず書房)です。税込3,740円になります。え…高い!と思った方、せめて私の話だけでも読んでみてください。

 なお、本書はワクチンの効果の有無や是非を問うものではありません。

 先の参議院選挙で反ワクチンを掲げる「参政党」が支持を得て、一議席を獲得しました。トンデモと思われた彼らの主張になぜここまで支持が広がったのか、、、真っ先に浮かんだのが本書です。

 本書が執筆された時期は、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた頃で、まだワクチンは行き届いていません。

 しかし、その内容は現在の第7波真っ只中にあって、ますます的を射ているように思います。思わず「当たーりー!」と叫んでしまいそうな記述が至るところに。

 第6波までは、子どもはワクチンを打たなくても大丈夫という風潮が強かったように思いますが、今、感染の中心が子どもたちになり、基礎疾患がなくても重症化する恐れがあると聞いてどうすべきか迷っている親御さんが増えていると思います。

 一方で、ワクチンの副作用を心配する人が減っているようには感じません。リスクとリターンを天秤に掛けて、悩みながら決断をしているのが実情ではないでしょうか。(ちなみに、私は4回目接種に迷いが出ています。)

 このところの自然志向や民間療法の台頭は、リスクを少なく(でもリターンは享受したい)切実な気持ちの現れであって、科学を軽視しているつもりはないように思います。むしろ、科学的にも正しいと思っているはずです。

 何を信じて生きるかは、最大限尊重されるべきとは思いますが、誰かの不幸を招いてしまう危険性については、今、第7波と同じくらい話題となっている宗教にも通じると思います。

 本書で触れられていることは、突然生まれたのではなく、これまで何度となく起きてきたことの延長線上にあります。「歴史は繰り返す」との言葉がありますが、ある意味、人間は永遠の「変異種」なのかも知れません。

 以上は、私の主観がかなり入っております。実際の内容は、ぜひ本書を読んでご自分でお確かめください。

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