いきるばのブログ

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『だから、もう眠らせてほしい 安楽死と緩和ケアを巡る、私たちの物語』

『だから、もう眠らせてほしい 安楽死と緩和ケアを巡る、私たちの物語』西智弘著 晶文社

 SNSで、寝たきり高齢者への「胃ろう」についての議論が活発になっています。

 数年前までは「胃ろう」という言葉自体、医療・福祉関係者や当事者意外にはあまり知られていなかったのでは?(私は働きだしてから知りました)

 胃ろうの是非は、以前から度々議論にはなっていましたが、どちらかと言えば現場の人が自己決定や生命の尊厳と現実とのバランスをどう取るのかの苦悩から生まれるものだったように思います。

 しかし最近は、世間の人にも知られるようになり、“コスパ”や制度の持続性から入る人が多くなっているように感じます。現役世代の生きづらさや社会保障負担の重さを思えば、当事者意識が芽生えて当然かも知れません。私自身、自分が納めた保険料よりも多くの医療を受けて生きています。支えられている側からすれば彼らを真っ向から否定する気にはなれません。

 それでも、胃ろうに限らず、自分や自分の身近な人が重い判断を迫られる病気になったときのために、現場でどのようなことが起きているのかを知っておいて欲しいです。お金の話から入るのとお金の話で終わるのとでは、全く違うと思いますので。

 ご紹介した本は、胃ろうの本ではありませんが、胃ろうの話は安楽死や緩和ケアとも地続きですので、参考になると思います。 

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